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イスラム世界

イスラムとは

     「イスラーム」を表す意味

アラビア語…平和、従順、純粋、服従…

宗教的には…唯一神‘アッラーへの帰依’                                   *帰依…神の教えを信じ、すがること              

イスラームは西暦7世紀始めのアラビア半島で、最後の預言者ムハンマドによって、宗教として確立されました。以来千四百年を経て今日、世界に十億の信者を擁し、今なお活力をもって増大し続けています。イスラームの教えは、ムハンマドが創始したものではありません。太古アダムからノア、アプラハム、モーセなどの諸預言者に啓示された教えと基本的に同じもので、それが最終的に完成され、最後の預言者ムハンマドを通して人々に与えられたのです。 

                           

     世界のイスラム教信者115000万人                     *世界のキリスト教信者・・・約196700万人

・イスラム信徒、すなわちアッラーに帰依した者をムスリムと呼ぶ。         世界の仏教信者・・・約114700万人

                                            世界の仏教・・・約35300万人

世界各国のムスリム人口比率 (http://isweb11.infoseek.co.jp/school/islam2/study/oic.htm

イスラミックセンター発行「アッサラーム」より                                                                                                                                                           

                                                         

☆ 唯一の神アッラー                                     

アッラーはアラビア語で‘唯一絶対の神’を意味します。アッラーは創造者、万物の存在の聖髄であり、英明・公正にして慈悲心あふれ、宇宙に偏在し、全知全能で森羅万象を決定し、生、死、復活等を司る、絶対的・超越的な存在なのです。

人間はアッラーの創造されたものの中の一つで、その意味では他の被造物である木とか石などと少しも変わりません。この信仰の中    では、人間はすべて平等です。またイスラームでは、キリスト教における原罪や、仏教のおける輪廻のような考えはありません。人間は白紙の状態でこの世に生を受け、アッラーの導きを得ながら生きています。人間とアッラーとの関係は直接的・個人的なもので、そこに聖職者などの介在する余地もありません。             

 

     聖クルアーンとハディース …イスラームの思想と実践の基本的源泉

 クルアーンは預言者ムハンマドを通して啓示されたアッラーの言葉で、唯一神アッラーへの信仰を基盤に人間の従うべき道について、精神的のみならず実生活においても、また個人・集団を問わず、正しい指針が示されています。また、クルアーンは預言者ムハンマドの存命中から、信徒たちによって一語一句たがわず書きとめられていたものを、彼の死後、厳密な考証のもとにまとめられ、現行の形になりました。以来、千四百年たった今日でも、世界十億以上のムスリムたちが日々接しているのは、原典と寸分変わらないクルアーンであると言われています。

 ハディースは、預言者ムハンマドが言ったり、実行したこと等を、集大成した伝承集です。ムスリムたちは、ハディースに記録されているアッラーの教えを体現する預言者の慣行(スンナ)の中に、より良きムスリムとしての行動の規範を求めるのです。

 

     信仰の基盤と宗教儀礼

 イスラームの基本的諸概念はクルアーンに示されていますが、その内容は単なる信仰の精神的説話に止まるものではなく、信者のこの世における生活規範から、共同体の法則にまで及んでいます。クルアーンでは、イスラームの信仰の基盤と、ムスリムとして守るべき宗教儀礼を規定しています。

              信仰の基盤

1.      アッラー  

2.      天使

3.      諸啓典

4.      その預言者たち

5.      審判の日

6.      定命

7.      来世

宗教儀礼

1.      信仰の告白アッラーのほかに神はなく、ムハンマドはその使徒である」との信仰を表明すること。

2.      拝礼はアッラーとムスリムとの主要な精神的交流の場で、一日に5回の拝礼が義務付けられている。特に金曜日の昼の拝礼は集団でおこなわれる。

3.      断食は夜明けから日没までの間、一切の飲食を断ち、心身を清めること。(ラマダーンの義務の断食とその他の任意の断食がある)

4.      喜捨(ザカート)は信徒間の相互扶助の目的を持った一種の救貧税。毎年、各信徒の得た収穫物、金銭、その他の統計に応じて算出される。

5.      巡礼(ハッジ)…定められた日時にメッカのカアバ神殿に巡礼し、所定の巡礼行事を行うこと。(すべてを捨ててアッラーに帰依するという精神を具現する。また世界中のムスリムが同じ目的をもって一同に会し、同じ行事を行うことによって、信徒間の同胞意識を高める)

 

     礼拝の意義

 サラート(礼拝)は、イスラームの五つの行いのうちで最も重要なもので、み使いも「礼拝はイスラームの柱で、天国への鍵である」と言っています。毎日義務の礼拝として5回行いますが、それは常にアッラーの教えを守り、かれを賛美し、かれに服従を誓い、その導きと助けを求めて祈り、信心を深めるために行うものです。澄んだ心でアッラーと対話し、怠惰な気持ちを退けて、厳粛で真剣に礼拝に立つ、定められた文句を唱えます。そうすることによって誰でもアッラーの無限の恩恵に与ることが出来ます。

 

     断食について

     喜捨(ザカート)について

 ザカートという言葉の文字通りの意味は‘清浄’または‘純粋’です。ザカートはイスラームの基礎となる第三の柱で、これは物質的に余裕のあるムスリムに対し神より下されたファルド(義務)の一つであり、その人の年間所得と財産から一定の金銭や現物を献納することを意味します。

 ザカートは政府の徴収する税金でもなく、個人の任意による寄附でもありません。これはアッラーより下された緊要、かつ至高の務めであり、またアッラーへの尊崇を表す一つのすがたであるといいます。

「本当に信仰して善行に励み、礼拝の務めを守り、定めの喜捨をなす者は、主の報奨を与えられ、恐れもなく憂いもない。」(代2277節)

 

     巡礼(ハッジ)について

 アラビア語で‘ある明確な目的のために出発する’ということを意味します。イスラームでいうハッジはサウジアラビアのメッカにあるカーバ神殿に巡礼し、定められた日に一定の儀式(マナシィク)を果たすことをいいます。